クロイツェルソナタ、リハーサル開始

皆様こんにちは。
寺神戸 亮です。

PCを手にしてからはや6年、自分のホームページを作ろうとつくろう思いつつ、今に至るまで実現せずに来てしまいましたが、ここに来てやっとホームページとまではいきませんが僕のマネージャー、アルケミスタ、武田さんの計らいでブログを作っていただきました。これがどういうものかまだわかってもいないのですが、少なくともこのように何かを書き込み、情報を公開できる場ということで、少しづつ挑戦していきたいと思います。よろしくお願いします。

さて、3月に予定されているベートーベン、ソナタ第9番「クロイツェル」&第10番のためのリハーサルを開始しました。c0059690_19183359.jpg
1回目は3日前、ピアニスト、ボヤン・ヴォデニチャロフ氏の自宅で行われました。彼の家に行ったのはしばらくぶりでしたが、レッスン室には前にもあったスタインウエイのセミ・コンサーート・グランドとクリス・マーネ作の5オクターヴ・シュタインモデル以外に今回使う6オクターヴ、ナネット・シュトライヒャーモデルのピアノに加え、オリジナルのブロードウッド1860年製までが所狭しと並べられていました。その上ガレージには1890年製のエラールまであるそうです!

僕が彼と共演を始めたころはまだ5オクターヴのピアノも持っていなくて、その歴史ピアノを弾きこなす能力とは裏腹にまだこの世界では門外漢、という感じだったのに、なんという変化でしょう。共演を始めた95年ごろからどんどんこの世界にのめりこみ、いまでは立派なコレクションです。彼は歴史的ピアノだけでなく、普通のモダンピアノでも現代曲やジャズ、即興演奏に精通し、まさにオールマイティ・プレイヤーです。

そんな彼との共演はいつも刺激に満ち、新しい世界へと目を開かせてくれます。
今でも忘れられないのは数年前のブラームス、ヴィオラ・ソナタのプログラムでした。シュトライヒャー1846年のオリジナルピアノ(山本コレクション)から、なんと色合い豊かな音色を聴かせてくれたことか。

さて今回のプログラム、ソナタ第9番「クロイツェル」と第10番、俗に「ローデ」といわれる2曲ですが、様式的には大きな開きがあります。作曲年代も離れています。

意外に思われるかもしれませんが第9番「クロイツェル・ソナタ」は小さな5オクターヴのピアノで弾かれるべきなのです。そして10番はもっと大きい6オクターヴが必要です。この2曲を同じピアノでやること自体無理があるのですが、「クロイツェル・ソナタ」の持つ力強さと雄大さを考えると、6オクターヴのピアノを使っても、その効果は半減しないどころか、むしろよりスケールの大きさが出せる可能性があります。

それに実際の録音に際して、運搬だとか調律その他の問題をかんがみて2台のピアノを使うことは難しいので、今回は6オクターヴのピアノ1台でやることになります。彼のナネット・シュトライヒャーのコピーを使うか、オランダのコレクター、エドヴィン・ブンク氏所蔵のイタリアンの6オクターヴのオリジナルを使うか、まだ未定です。

第1回目のリハーサルでは各楽章を1回づつ通し、意見を言い合い、問題点を拾いながら何箇所か弾きなおし、といった感じで、まずは全体のコンセプトの調整を図りました。

彼はなんと言ってもモダンのエキスパートですし、僕は古楽にどっぷり浸かり、17、18世紀のほうから音楽を見る人間、テンポ感や、曲の捉えかたに微妙な違いがあります。そのあたりを調整するのがまず第一の仕事です。現時点ではよりロマンティックな第10番の、特に第1楽章にお互いの感覚と視点にずれがあるようです。

ちなみに明日が第2回目のリハーサルですが、これからどのようにこの2曲と付き合っていけるか、とても楽しみです。 (寺神戸 亮)
[PR]

by boreades | 2005-02-18 07:20 | 雑記  

<< 波多野さんとの録音無事終了! ライプツィヒ バッハ・フェスト >>